記事/2008/01/11掲載
 
防音多目的ホールで地域と交流
小規模多機能ホーム
あひるクラブ(江戸川・瑞江)がオープン
 

 江戸川区瑞江にこのほど、小規模多機能ホーム「あひるクラブ」が開所した。訪問入浴や介護タクシーを手掛ける「江戸川福祉事業」(田島薫社長)が昨年十二月十日からサービスを開始したもので、小規模多機能ホームは同区内で二か所目。同施設の特長は、全国的にも珍しい防音多目的ホールで、既存の介護施設の枠に収まらない発想が各方面から注目されている。

 小規模多機能ホームは、一昨年制度化された在宅介護の新形態。要介護者が家で暮らせるよう「通い」を中心に、その延長である「泊まり」、時には職員が自宅を訪ねる「訪問」の三つを提供する介護サービスだ。ホームは地域で要介護者を支えるコミュニティーの役割を担う。二十四時間対応で、月額定額制。

 事業開始に伴い新築したビルは地上二階、地下一階。一階が「あひるクラブ」で和室四室と二つの風呂場、リビング、キッチンなどを備える。登録定員は十八人で「通い」は一日九人。一日三人まで「泊まり」も可能。サービス提供地域は主に江戸川区の東部・鹿骨地区。二階には同社と提携している「そら歯科医院」がある。そして地下は防音室「I・N・Gホール」(約三十五坪=約百二十平方b)だ。照明が整ったステージはバンドや民謡などで幅広く使える。踊りの練習に活用できる大型の鏡も設置。カラオケや映画鑑賞もできる。

 ホールを設けたのは、ホーム利用者と地域の人、特に若い人たちとの交流が必要だから、と田島社長(59)は説明。介護の現場では高齢者同士の閉鎖的な人間関係になりがちだが、サークルなどが活用できるホールがあれば交流が生まれる、と期待する。また、ひと口に高齢者と言っても趣味や経験は千差万別で、音楽や踊り、映画が好きな高齢者向けに特化したホームがあってもいいとの発想で、「うちは音楽担当だけど、例えばマージャンなどほかの分野で専門的な小規模多機能ホームが地域に点在する」のが望ましいとの持論も持つ。

 ホール実現までには困難もあり、また賛否両論あって悩みもした田島さんだが、地域の人たちの支えで実現できたことに感謝している。十二月八日の開所式では、多田区長も「素晴らしい発想。田島さんの挑戦に心から敬意を表したい」と賛辞を送った。ホールの維持費ねん出には工夫がいるが、「利益主義ではない運営」を念頭に今後ルール作りをするという。

 開所後初の利用者となった認知症の男性が、宿泊中ホールに何度も足を運んで歌っていたことから、田島さんは「退屈しないで帰ってくれたことで自信を深めた」という。いまは一般的ではない介護の形だが、「あと何年か先には(地域との接点や交流を重視した)こうしたスタイルが普通になると思います」と田島さんは語っている。

 問い合わせは、あひるクラブ(江戸川区瑞江一の二五の一)TEL:5666・6680へ。


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