江東区亀戸二丁目の戸坂畳店は一九二六年(昭和元年)の創業。“これぞ昭和”といった趣たっぷりの店の看板を二代目の店主、戸坂幸司さん(69)と三代目の徳幸さん(39)が守っている。
この店構えと仕事をモデルに、墨田区緑在住の漫画家、入江喜和さん(38)が「昭和の男」と題した作
品を描いた。下町の頑固な畳屋が身近に起こる“今風”の軽薄な出来事などに怒り、日本の行く末を憂いながら、“まっとうな男の生きざま”を身をもって示していく−−といった内容で、昨年約半年間、週刊「モーニング」(講談社刊)に連載。一月に単行本の第一巻、二月には第二巻が刊行された。
入江さんと戸坂家との交流は十年近く前に始まった。入江さんはかつて亀戸で暮らしており、入江さんの娘さんと徳幸さんの息子さんが同年同月生まれで、保健所での三か月検診の際に母親同士が友達になり、やがて戸坂家を訪れた入江さんが、その雰囲気に“一目ぼれ”。以来、折に触れ取材を続け、登場人物は無関係ながら、店舗など舞台設定は戸坂家そっくりの「昭和の男」が誕生した。