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十一月十三日にオープンしたばかりの「東向島珈琲店Puamana」は、喫茶店と花屋が複合した珍しい店だ。店の中央にある短い階段を上ると隣の児童遊園が見渡せる。大きな窓から光が差し込み、時刻によって異なる表情を見せる。
オーナーの井奈波(いなば)康貴さん(32)は喫茶店部門を担当。墨田出身の井奈波さんは、ホテルや老舗の喫茶店での修業を経て、店を出すなら地元に、とこの場所を選んだ。店名は、地域に密着した町のオアシスとなることを目指して、ストレートに「東向島珈琲店」とした。
「やりたいことがたくさんあった」とうれしそうに話す井奈波さん。まず、コーヒー店の顔であるブレンドは「気分や体調で選びわけられるように」二種類、フレンチローストとイタリアンローストの焙煎(ばいせん)度合いの違う豆をさらにブレンドした「ブラージュブレンド」と、イタリアンローストで苦みが効いた「メールブレンド」を用意している。水出しアイスコーヒーもお薦めだ。一回抽出するのに十三時間もかかるというこのコーヒーは雑味が少なくコクがある。
花屋部門は加藤信幸さん(37)と大山久美さん(33)が取り仕切る。大山さんがホテルで働いていた時に出会ったのが井奈波さんで、その後、花の業界に移った大山さんが最初にデザイナーとして就職した花屋の同僚だったのが加藤さん。その後、大山さんと加藤さんは店舗を構えず花を仕入れてアレンジし、そのまま顧客のもとに持っていくというスタイルの花屋「プアマナ」を始めた。相田みつを美術館や有名海外ブランドの店内装飾なども手がけている。
「プアマナ」はハワイ語で、「プア」は“花”、「マナ」は“導き”という意味。「ここにたどりついたのにも運命的なものを感じる」と大山さん。久しぶりに井奈波さんに連絡を取ったところ、いっしょにやらないかと誘われ、開店までトントン拍子に進んだ。東向島も百花園がある花にゆかりのある土地柄。花に導かれて念願の店を構えることができたと感じているという。
店内には「新しいものと古いものを融合させたい」と語る二人が選び抜いた鉢植えや盆栽、花器などが並んでいる。「お年寄りがいろいろとお話ししてくれるのがうれしい」と加藤さん。心癒やされる草花を眺め、おいしいコーヒーで満たされたお客さんがついつい長居して、おしゃべりしたくなるのだろう。
墨田区東向島一の三四の七TEL:3612・4187。
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